昭和ノスタルジー

今回も成人映画館の話。
お盆も近いことですし、ノスタルジックにいきます。

私が一番最初に連れていかれた「映画館」が、8月1日(日)で一旦閉鎖になり、1年後にリニューアルオープンするそうです。

『老朽化に伴う新館建て替え工事により一時休業させていただきます。
令和4年7月上旬 新館オープン』

これを聞いたのが2週間くらい前。

えーー。ずいぶん急だなぁ。

老朽化… 確かにかなり古い建物なので、そろそろ取り壊されてもおかしくない。

実はこの成人映画館のある町は、私が生まれ育ったところなんですね。
本当にご近所です。
子供の頃は映画館の前の道でよくポコペンして遊んでいました。

昭和の子供ですから。
 

 

遊びはもちろん路上ですよね。

 

なので、映画館から出た瞬間に出た言葉が、「ばーちゃん、ごめんなさい!」だったわけです。

映画館の外に出た途端に子供の頃からの見慣れた風景が目に入ってきて、真っ先に実家の両親・祖父母の顔が浮かんだのよねー。
一応、ロクデモナイことをしている自覚はあるのよ。

 

さてこの成人映画館、いったいいつ頃からあるんだろう?と思って調べてみました。

このサイト(映画館専門サイト「港町キネマ通り」)が、周りの元・遊郭の風景や下町情緒も含めて、いい感じにまとめてくれています。

『元々戦前は芝居小屋だったコチラの劇場を小坂氏の祖父が購入し、戦後になって映画館として立て直したという』
…って、想像以上に古かった!

この辺りは空襲を逃れたんだねえ。
現存する劇場としては名古屋最古の建物だそうです。

館内のモワッとした独特の湿っぽい空気は、この古さのせいもあるのね。

 

でも、あの「ヤバいところに来たぞ…」って感じの雰囲気がすごく良かったのよね…

成人映画館には今まで3回連れて行ってもらいましたが、やっぱりここが一番好き。

男性客たちが遠慮なく周りに集まってきて、取り囲んでくるところ。
女性一人で行ったら間違いなく危険な感じ。
次々と手が伸びてきて、服をビリビリに破かれたりもするそうです。

どんな無法地帯だよ…

 

意外だったのは、普通の映画館から成人映画館に変わったのが取材時2005年の20年前だということ。
1985年、私が12歳くらいかー。
小さい頃から「すけべな映画館」って思っていたような気がしていたけど、そこは記憶違いでした。

 

そして、この映画館は2階席もあるんですね。
「映劇」というだけあって、劇場ですね。
最初の映画館遊びのときは緊張しすぎていて、周りを見渡す余裕もなく、2階があることに全く気づきませんでした。

うまくいけば2階席から縄を垂らして吊ることができるかも?という話も…

もう! そんなことを聞いたら、じっとしていられないですよね。
リニューアル後は、絶対に2階席なんて無いと思う!

「壊す前にもう一度行きたいー!」とダダをこね、急遽連れていってもらいました。

 

コロナ禍で実感しましたが、ずっとあると思っていたお店が急になくなる。
嘘でしょー!とショックを受けても、気づいたときにはもう遅い…

この映画館も来年に新館オープンと書いてあるけど、どうなるかわかりません。
ここ数年、名古屋駅の発展とともにこの辺りもマンションが増えてきているので、新しく成人映画館ができるとなったら反対する住民も多そうです。

行けるときに行っておかなきゃ!!

…というわけで、次回に続きます。
(ノスタルジックを目指しても結局はエロ)

 

ちなみに、私はこの映画館の斜めくらいにあるトンカツ屋さんの「焼きトンカツ」を食べて育ちました。
本当に美味しかったのに、こちらも去年閉店。
さみしいよ。