世間は狭い

浜松にいた頃、登山愛好会というなかなかシブい会に入っていました。

月に1回山登りをするのですが、ある日急に天候が悪くなり、出発前に突然中止となりました。

その時、「じゃあこの後は用事ないですよね?ランチに行きましょう」と登山仲間の一人に誘われ、その人とお昼ご飯を食べることに。

 

女性が喜びそうな、綺麗なローズガーデンがあるお店。

食事が終わり、家の近くまで送ってくれるのかと思いきや、なぜか車は薄暗い山道のほうへどんどん進んでいく…。

いやな予感しかしない。

 

「僕はずっと前に一度、あなたに会ったことがあります。覚えていますか?」

そう言って、とある名古屋のSMバーの名前を出しました。
「沙夜さんですよね? 僕は縄好きのSで○○○です」

お店で少し話をしたらしい。全く覚えてないけど。

 

そっか…浜松にはそういう店がないから(あっても、知り合いだらけのあの町ではとても行けない)変態さんたちは名古屋まで来るよね…。

 

完全に隠してきたつもりだったけど、こんな形で、けっこうあっけなくバレている。

 

そして当たり前のように手を握って近づいてくる。

あー、こういうのが苦手なのよ。

 

っていうか、知ってたなら登山愛好会に入会したときに、軽いノリで言ってよね。

そしたら「お互い内緒ね」とニッコリ笑って済むのに。

 

そんなこともあり、もう、下手に隠すことなく趣味の1つとして、オープンにしていってもいいんじゃないかなと思ったわけです。

べつに悪いことをしているわけじゃない。

もしかしたら、そのほうが人生が楽しくなるのでは?
…と、なんだか今はそんな気分です。